宮沢賢治「注文の多い料理店」書き損じ断片

夏休み中に、ふと図書館にある宮沢賢治全集を開いて、好きな作品の「注文の多い料理店」を読んでいた。
そして、ふと「校異篇」も読んてみようと、開いてみると、とんでもないことに気づいた。

なんと「注文の多い料理店」は、原稿どころか下書稿すら現存しないという。

ところが、なんと「下書稿の書き損じ断片」というものが3点、「カイロ団長」の下書稿に裏を転用する形で現存しているとのこと。

そしてどういうわけか、その下書稿についてGoogleでくまなく検索しても、どこにも1文字も出ていないことに気づいた。

そこで、全集の資料を元に、パブリックドメインということで、ここに上げてみることにした。
別に作者のマニアという訳でもないので、詳しい話や論はしないが、とりあえず載せることにする。

断片1

「僕はもう戻らうと思ふがね。」
「さあ、僕も丁度弾丸もなく〔以下空白〕

断片2

   決して御遠慮はありません。」
「おや、この家はたゞで御馳走するらしいよ。」〔以下空白〕

断片3

「うん。しかし支那の西洋料理店はこんなだと云ふはなしだよ。」
 そして二人はその扉をあけやうとしますと上に黄色な字で斯う書いてありました。
   「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこは御承知下さい。」
「ふん。仲々はやるんだね。こんな山の中でも。〔以下空白〕

以上。